美容室・サロン開業を居抜き物件で始める際のポイント

oyakudachiImg-05

≪同業の居抜き物件に絞って探そう≫

美容業は専門性の高い業種であることから、設備機器も業務に特化したアイテムを揃える必要があります。
そのため美容室を居抜き物件で開業するケースでは、他の業種に比べてもメリットがより明確な印象があります。
シャンプー台設備などの水回り設備から、空調設備、壁面の鏡、カット用チェアなど、高価な備品も含めて引き継げるという場合は、初期費用やランニングコストが大幅に節約できます。
旧テナントの内装をそのまま使うならば、内装工事費も浮きますし、準備期間が短くて済むのでスピーディな開業が可能です。
最近増えているネイルサロンやエステティックサロンの居抜き物件は、同業種であればそれらしい雰囲気のレイアウトや内装をそのまま活かすことができるので、コスト削減の面から非常にメリットの多い物件と言えます。
エステティックサロンは、更衣室やカウンセリングルームなどのように、プライバシーを重視した個室スペースが数多く必要になるため、それらの大がかりな内装工事を行なわずに済めば、かなり費用が助かるはずです。
空間イメージを重視する美容業では、内装に凝ると莫大な費用がかかることが落とし穴と言われます。
つまり居抜き物件を活用することは、開業資金の節約だけでなく開業後の経営を助けることにもつながるのです。

≪店舗コンセプトの伝わる内装になっているか≫

居抜き物件で美容室を開業する際、注意すべきこともいくつかあります。
美容室などのサロン業は特殊性の強い業種で、使える設備や備品も専門性の高いものになるため、不要な設備が残っていると解体や撤去に費用がかかる可能性があります。
そこで、旧テナントも同業種であった物件を前提とするか、そうでない場合は居抜きではなく、スケルトン物件を検討するほうが無難かも知れません。
また、旧テナントの内装を引き継ぐと、新規オープンだとは分かりにくかったり、以前の内装が店舗コンセプトと大きく違う場合はガラリと変える必要があり、それだけ費用がかさみます。
前オーナーが物件を手放す理由も、できれば把握しておきたいものです。
オーナーの引退、店舗の合併などが理由なら構いませんが、内装がまだ新しいのに手放すといった場合は、立地や競合店など地域特有の事情が経営不振の原因になっていたのかも知れません。
そして設備や備品のリース契約の状況もチェックしましょう。
備品があまりにも古かったり損壊していれば買い替え費用が発生しますし、水回りに不具合があれば、どんなに費用がかかろうと修理は避けられません。
使える要素はとことん活用し、刷新すべき部分は潔くチェンジするといったバランス感覚を駆使することが、居抜き物件で美容業を成功させるコツと言えるでしょう。